小枝圭太 Keita Koeda
 
  国立海洋生物博物館 台湾  National Museum of Marine Biology & Science
  日本学術振興会 海外特別研究員  JSPS Overseas Research Fellow

  ホーム     研究     業績     写真     魚図鑑     リンク  




ハタンポ属魚類とは?

    ハタンポ属は世界中の沿岸浅海域に生息する代表的な夜行性魚類です。彼らは夜になると餌の豊富な場所を求めて長距離を泳ぎ回るという変わった生態をもっています。しかし、どの種も見た目がとてもよく似ており、いったい何種が存在し、どうやって見分けるのか、ということすらよく分かっていないという大きな問題がありました。

洞窟の中で群れるツマグロハタンポ。小笠原諸島父島にて撮影。




ハタンポ属魚類の“分類”に関する研究

    研究の対象としている種が何かが分からなければ、成果の面白みを発信することが難しくなります。そこでまずは、ハタンポ属の分類を整理することにしました。このためには野外での標本採集だけでなく、文献調査や世界中の博物館を訪問するといった地道な軽いステップワークが必要です。現在までにたくさんの国や地域、島を訪問し、分類に関する研究を行いました。この結果、現在では日本だけでなく世界のハタンポ属について、その分類が大幅に整理されるに至りました。

2013年に南大東島で採集し、未記載種(=新種)として報告したPempheris ufuagari




ハタンポ属魚類の“進化”に関する研究

    分類に関する研究と並行して、遺伝子を用いた分子系統解析を行っています。色んな種の遺伝子情報を集めることで、ハタンポ属がどのように進化してきたかを推察することが出来ます。これまでの研究によって、現時点で定義されているハタンポ属(Pempheris属)は、少なくとも3属に分ける必要があるのではないか?ということが分かってきています。

パースにて固有種ハタンポをゲット!この瞬間がたまらない!!




ハタンポ属魚類の“生活史”に関する研究

    ハタンポ属魚類が産まれてから死ぬまで、どのように生きているのかを研究しています。沖縄島で多くみられるミナミハタンポとリュウキュウハタンポの2種は、水中洞窟などで同じ群を形成し、見た目もとても似ているため、水中で区別できる人はほとんどいません。しかし、一方がもう一方の2倍以上の寿命をもっていたり、産卵期が「冬から春」と「1年中」で違っていたりと、2種の生活史には大きな違いがみつかりました。

年齢の推定に用いる耳石(頭の中のカルシウム組織)の切片。白くみえるリングを年齢として数えます。




ハタンポ属魚類の“行動”に関する研究

    これまで知られていた「ハタンポが夜に移動する」という生態に着目し、より詳しい行動パターンを調べています。具体的には、採集したハタンポに釣り用のケミホタルを取り付けて放流し、追跡する体力(&精神力)勝負の調査を行っています。これにより、ハタンポが「どれほどの距離」を「どんなルート」で移動するのかを知ることができると期待しています。

ケミホタルをつけて泳ぐハタンポ。真っ暗闇で小さな灯りをひたすら追いかけます。




その他の魚類に関する研究

    野外調査では、時に予想も出来ないことに出会うことがあります。例えば、上述の追跡調査の際、これまで日本では記録されたことのない属の夜行性魚類が採集されました。これは真っ暗闇だからこそ見つけることができました。また立原研究室のメンバーたちの研究を手伝いながら、サンゴ礁性魚類をはじめ、淡水魚や深海ザメの研究まで、さまざまな研究活動に携わっています。

目の下が明るく光るヒカリキンメダイ科の魚。真っ暗闇の中での調査だからこそ見付けることができました。









inserted by FC2 system